玉虫色の図書室

本好きの感想ブログ

後宮の黒猫金庫番 - 岡達 英茉さんの書籍書き下ろし

大好きな後宮もの。好きな作家さんが書いてる…読まねば! と、岡達 英茉(オカダチ エマ)さんの『後宮の黒猫金庫番』を購入する。
小説家になろうで出会い、ずっと追い続けてる作家さん。とても安定した作品を書き続けていて、なろうで連載を読めない書き下ろし作品でも買うことにためらう必要のない方。

後宮の黒猫金庫番(富士見L文庫)2022年

大雅国には伝説の女官吏がいる。
通称「黒猫金庫番」。華奢な体に黒い衣を纏い、琥珀に光る瞳で不正を見逃さなかったという――。
将来そう呼ばれるとはつゆ知らず、蔡月花は見合い話に頭を悩ませていた。
相手は若き天才、戸部尚書の柏偉光。
超のつく貧乏貴族の月花とは釣り合わないし、必死に立て直した家業もやっと軌道に乗り始め、結婚はしたくなかった。
断り切れず迎えた見合いの当日。月花は小銭を追って馬車から飛び降り「私、お金が大好きなんです!!」と本性をさらけだすも「規格外のご令嬢」と偉光に気に入られ……? 

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お金にがめつ…でなくてシビアなのは『彩雲国物語』のヒロイン秀麗を思い出すけど、秀麗ほどヒロインぽくなくドライな感じ。でもかわいらしい。
淡々としてて妙に現実的。でも心が強くて愛嬌がある。ヒロインの思考回路と心の声と実際の会話がテンポよくて、読んでいて気持ちがいい。

なろう小説では、ありえないほどの鈍さのヒロインが結構いるけど、この作者さんのヒロインは楽しくて可愛い。ヒーローの好意もあからさまでないし、結構ひんやりとした対応をする(ヒロインが斜め上にズレるので衝突しない)。でも時々優しさが見え隠れするんだけど、やっぱりヒロインはズレる。読んでる方はもどかしくもキュッとする。

あまり感情的にならないヒロインが、シリアスなストーリー展開で感情を揺さぶられると読み手もすごく感情が揺れる。ほんと、うまいなあと思う。
というか、私がそのタイプのヒロインとヒーローが好きなんだと今気づく。作者さんと好みが合致すると幸せ。

上野の神様にこい願わくは あやかし資料館の大蛇様

(KADOKAWA 富士見L文庫)2020年

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こっちは現代+ファンタジー。どちらも単発書き下ろしなんだけど続きが読みたい。web版で書いてくれないだろうか。

なろう小説のほうも新作くるたびに読んでいる。どれも好きだけど『異界へは往復切符で』『王宮の至宝と人質な私』『黄金の中庭』あたりの初期作品が原点とも言える作品群で良き。『黄金の中庭』が結構キツい展開になるけど涙した作品。なろう小でも涙腺決壊するものがあるんだ…と認識した初めての作品かもしれない。
あと、全部の作品がきちんと完結しているのが素晴らしいと思うの。
> https://mypage.syosetu.com/221568/

『後宮の烏』のアニメをみる。

気になっていた『後宮の烏』のアニメ版。配信でまとめ視聴した。感想はうーん、少し思っていたのと違った。


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原作から受けるイメージよりも対象年齢下がってる感じがした。キャラクター作りとか。声をあててる声優さんによるところなのかもしれないけれど。
あと気になったのがデッサンと動き。顔とか花とかは綺麗なんだが、人体とかちょっと歪。特に走るシーンはひどかった。まあ人体についてはそういうキャラクターデザインなのかもしれない。

それからエンディングテーマが好き。特にスペシャル回のロングバージョン。本編への入りやクレジット表示の特別回はわかっててもちょっと揺さぶられるものがある。


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〜今日のひとこと。
「作者さんと好きが合うと幸せ」