図書室の海

本好きの感想ブログ

夜明けの花園 恩田陸 - 麦の海に沈む果実のスピンオフ短編集

恩田陸さんの理瀬シリーズ最新刊『夜明けの花園』が 2024年1月講談社より発売。『麦の海に沈む果実』に関連する短編が全6作品収録されている。あの作品が好きだった人は読むべし。 『麦の海に沈む果実』の舞台である外と隔絶された学園は、陸の孤島、湿原に…

方舟 夕木春央 - 方舟に乗るのは正しき人か

友人に勧められて、夕木春央(ユウキ ハルオ)さんの『方舟』を読む。感想や思ったことを書いていく過程で話の結末に触れているので、細かいネタバレにはなっていないけれど未読の方はご注意を。※2024年2月現在、この作品は版元ドットコムへ版権フリーの画像…

恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。5巻 - Web連載 なろうの続き

小説家になろうで連載されていて、リアルタイムで追って読んでいた作品。Webに無料掲載されていた部分以降ということで電子版を購入。終わり方が気になっていたので続きを読むことができて嬉しい!と最初にお伝えしたい。 ※2023年12月現在、こちらの出版社さ…

ゲーマーズという通販サイトの夏フェアで酷い目にあったので、もう二度と利用しないことにします!? - 溺愛ルート特典

ショップの名前からも縁がなさそうな通販サイトだったんで、十夜さんの『悪役令嬢は溺愛ルートに入りました!?』の本を買うときには違うお店で買っていた。しかし、今回特別ブックレットが夏のイベントでもらえるとのことで『夏の本まつり』というフェアに…

璃寛皇国ひきこもり瑞兆妃伝の続きが出てた!

なろう小説の連載で続きが気になった作品がある。しののめすぴこさんの『璃寛皇国ひきこもり瑞兆妃伝』という作品で、管理人の好きな後宮もの。Web連載では綺麗に事件は解決していて特に不満はないのだが、大きな秘密を抱えたまま終わっているので続きはアッ…

後宮の黒猫金庫番 - 岡達 英茉さんの書籍書き下ろし

大好きな後宮もの。好きな作家さんが書いてる…読まねば! と、岡達 英茉(オカダチ エマ)さんの『後宮の黒猫金庫番』を購入する。小説家になろうで出会い、ずっと追い続けてる作家さん。とても安定した作品を書き続けていて、なろうで連載を読めない書き下…

映画ハウルの動く城が理解できないと言われて

魔法使いハウルと火の悪魔 ジブリ映画『ハウルの動く城』の原作。先日、友人とアニメ映画の話をしていて「ハウルの動く城ってイマイチ理解できないんだよね」と友人が言う。確かにわかりにくい。原作を読んでいないと理解できないと思う。でも、友人に映画の…

ロマンス小説を読んでみよう!

海外にはいわゆるライトノベルというものはないと思う。ジュブナイル(少年少女向け)は日本では児童書あるいはヤングアダルト扱い。女性向けの恋愛を扱った小説という意味ではロマンス小説があるが大人向けである。 管理人もロマンス小説を読んでいた時期が…

本好きと図書室 - 恩田陸さんと電子書籍という選択

本好きの夢 - ブログタイトルが『図書室』な理由 『自分だけの図書室があればいいのにーー』恩田陸さんのエッセイかコラムか小説内か。そんな風なことを書かれていて激しく同意したことを覚えている。自分が今まで読んだ本が全部蔵書として格納されている図…

もう一度読みたい!海外児童文学ファンタジー - 古王国記 サブリエル

空前のファンタジーブーム 一時期、児童文学ファンタジーブームが続いた。『ハリーポッターシリーズ』の世界規模のブレイクをきっかけに、各出版社から続けとばかりにこぞって書籍が出版され、高価なハードカバーなのに売れる。二匹目のドジョウ狙いの翻訳本…

転生王女は今日も旗を叩き折る - 無料小説の書籍版をはじめて買う

「小説家になろう」の小説で、はじめて書籍版を買った作品。webで読んでいてどうしてもまとめて読みたくなった。書籍版には書き下ろしのエピソードが付け加えられてて、それも他者視点だったので2度美味しい。 後半はヒーローであるレオンハルトの思考がダダ…

後宮 × 暗殺 × 医療

なぜか後宮が舞台の小説に惹かれる まず、大昔の中国を舞台にした小説はたくさんある。なぜか。京都や奈良に、唐や隋の時代の文化財が数多く残っている。この時代入ってきた文化の影響は大きいと思う。あと、西遊記、水滸伝、三国志、ゲームやアニメになって…

SPY×FAMILYのアニメをみて思い出したジョーカーゲーム

SPY×FAMILY 秋に放送されて録り溜めていた『SPY×FAMILY』の2ndシーズンをお正月に一気見しようとした。なぜか14話が7分しかなく「??」状態。どういうことか調べたら、サッカーW杯の影響で放送がズレたんだとか。それでか… 再放送されたらしいけど、今頃一…

あなたの恋人、強奪します。- 泥棒猫ヒナコの事件簿

泥棒猫ヒナコの事件簿永嶋恵美 著 表紙デザインや挿絵は大事。作品の印象を決めかねないくらい大事。(本当に大事なので2回言う)なのに!! 装丁は新装版、改訂版と銘打って変更されるときがある。前出の『十二国記』も講談社文庫で読者層を大人へ対象とし…

私となろう小説の出会いは洗剤だった件

洗剤と魔女『緑の雫』 ーーとある日、私は噂で良いと聞いた「緑の魔女」というランドリー洗剤を調べていた。あるネットショップで検索をかけたとき、洗剤と一緒に出てきたのが『緑の雫』という本。「緑」「魔女」のワードでヒットしたようだった。 緑の雫 (…

十二国記 - 続きが読める幸せ

本好きブログの記念すべき第1作目。続きが読めなくなった本が幾多ある中、たとえ20年近く時間が空いたとしても続きが読める幸せ。小野不由美さんの十二国記は30周年を迎えたそうです。 「十二国記」30周年記念ガイドブック(新潮社)2022年 月の影 影の海 町…